2025/12/19 19:37


新規ブランドスタートのお知らせ

いつもCONSTRUCT1をご愛顧くださいまして誠にありがとうございます。
26SSシーズンよりSHINYAKOZUKAのお取り扱いがスタートいたします。

Designer bio: 2013年Central Saint Martins College of Art and Design ファッション学部メンズウェア学科を卒業。日本に帰国後、2015 年より”SHINYAKOZUKA”を開始。 Brand concept: 「‘picturesque scenery’ 絵に描いたような情景」をコンセプトに、デザイナーのインスピレーションや考えをドローイングやペインティングで描き、その絵の情景からインスパイアされたコレクションを展開している。

SHINYAKOZUKA  2026SS  ISSUE#8   12月20日(土) 販売スタート

事務所の屋上でベンチに座りながら月を眺めるのが好きです。 住宅街をビール片手に散歩しながら月を眺めるのも好きです。 その月自体に主張はなく、考え事や悩み事をしている時に、ふと見上げると、 「なんか素敵だな」と、シンプルな気持ちにさせてくれます。 ぼんやりと、そしてじっくりと。

部屋という存在や考え方が好きです。
飲みかけのビール缶
ウタバースのような陽射し
未熟な故、理解に及ばず感じるしかない写真集
昨日飲みすぎたかのように、椅子に横たわるニットたち
まるで眺める為に、そこに飾ったような空虚感
重複した調味料
窓際は動物園 なんか生きているって感じて好きです。 それが自宅でなくても、旅館でもビジネスホテルでも、 部屋という空間が素敵だと思います。 だからなのか、 敬愛する画家や、憧れ倒したミュージシャンは部屋をモチーフにしている人が多いです。 昔は、何もないような簡素な部屋を好んでいたのですが、 最近は、 実家のような、 どこで買ってきたか分からない置物や、 なんでそうなった?というようなマグカップやクッションの柄があるような、 少し雑多で「当たり前な」部屋も悪くないなと思うようになりました。 比べるのは大変失礼ですが、ソールライターの部屋のような。 実家を離れたあるあるかもしれませんが、例に漏れずに実家の自身の部屋も物置部屋と化しているので、帰った際、母親は祖母の部屋に移り、母親の寝室が自身の宿となります。 先日大阪に帰った時、なかなか友人と都合が合わず、飲みにもいかず母親の部屋で結構な時間を過ごしていました。 みかんを肴にビールを飲みながら、布団にくるまって、怠惰を形にしたらこうなるんじゃないかという感じでゴロゴロしていたのですが、ふと、「当たり前の」部屋をじっくり見回していました。 テレビの上に写真が趣味だった祖父が撮った幼い頃の僕 ルイジ・ギッリの写真のような色に変わった家族写真 文武どちらもこれといって得意ではなく、初めてTop gunと評価をもらった美術の課題 そして、18歳の時にミシンの練習にと思い作って母の日に送った布の花 これらがずっと前からの「当たり前」として飾られていました。 ビールで脳が洗われていたのもありますが、 「なんか素敵だな」と、壁に飾られた布の花を眺めながら、ぼんやりと感じていました。 事務所の屋上や散歩で月を眺めている時と近しい感覚でした。 部屋にも月が浮かぶのです。 実際の月と同じですが、そんな当たり前の情景も心の天気が悪ければ見えなくなり、 部屋の灯りをつけるようなスイッチが必要なのかもな、とも思いました。 「スイッチ」という言葉だけを切り取れば、いつも服作りの軸にしている、仕事とプライベートのスイッチの役割をしているユニフォームが当てはまるかと思います。 仕事着という範囲で言えば、スイッチを端的にシンプルに役割を担っているエプロンが象徴かな、と僕は思っています。 いつもこういった、いわゆるユニフォームやワークウェアと呼ばれる服が持つ、歴史と共に培ってきた機能や役割も素敵だなと思っているのですが、 ぼんやりと何かが心に機能する服を、SHINYAKOZUKAのユニフォームとして提案できたらなと想います。 そういう機能性もユニフォームと呼んでいいのではないでしょうか。 デザインを機能から解放した先の情景を見てみたいです。 こうして自身が何かを作る時に、何が原動力なのかを考えます。 怒りや憤りも確かにあります。ただ、それが何かに対してなのか、自分自身に対してなのかは結構ファジーで、他の言葉でも言い表せそうな気がしています。 不安なのか、 安らぎなのか、 共感なのか、 共鳴なのか、 ただドヤ顔をしたいだけなのか、 その総てなのか、 その総てでもないのか。 答えはまだまだ出そうにもありませんが、ずっと同じ気持ちもあります。 ファッションで心が動く事を覚えたのは、 具体性を持ったリアリティーではなく、 もっとあやふやな抽象のものなのです。 中々説明が難しく、説明が必要なのかも分からないですが、 それが素敵と信じてしまっているので、 表すのは大変困難ですが、 素直に、素直に毎回作ってお見せするしかないな、と思ってもいます。 こういう事を考える度に、言い方は違えど同じ事を言っており、 今まで通ってきた道を辿っている気がします。 それがいいのかどうかは分かりませんが、 素直であるということが、一つのモノを作る上で大切なスキルだと それだけは、リアリティーを持って感じています。 心象風景に一輪の月が浮べばいいなぁと想います。 その月が全てを明るく照らすのではなく、「なんか素敵」をぼんやりと「部屋」というパーソナルな心象風景を照らせれば素敵かな、と。そんな「機能」を作りたいな、と。 母の部屋に飾ってある布の花を思い返すと、そんなことを考えました。 部屋が暗い時は暗いままでいいと思います。ただほんの一輪、ぼんやりと浮かび照らしたら、なんか素敵じゃないですか。 あなたの部屋には何があるでしょうか? テレビゲーム機でしょうか 有名な絵画でしょうか 昨日作った豚汁の残りでしょうか お気に入りのブランドの服でしょうか 子供から貰った掛け替えのない何かでしょうか はたまた親から譲り受けた語り継ぐべき何かでしょうか 花でしょうか やはり、虚しさでしょうか 僕の母の部屋には、月が浮かんでいました。 あなたの部屋には何が浮かんでいるでしょうか? ビールかコーヒでも一杯飲んで、椅子かソファにでも腰掛けて、 ゆっくり見渡してみてください。 ね。 Issue#8 ‘The moon is floating in the room’

SHINYAKOZUKAは毎シーズンどんな情景が描かれるかとても楽しみでした。
26SSシーズンISSUE#8も代名詞でもある素晴らしいドローイングやペインティングの数々。
ショーに使用されているアウター、ニット、シャツ、パンツどれをとってもきれいなシルエットのアイテムが多く、ISSUE#8もよりパワーアップした内容となっており、私自身もSHINYAKOZUKAのお取り扱いのスタートを心待ちにしていました。
個人的にはシーズンならではのドローイングやペインティングアイテムが好きです。
また店頭で色々お話しさせていただけると幸いです。
お取り扱いの始まった1stシーズンもSHINNYAKOZUKAならではのアイテムを多数ご用意しております。
来季はPitti Uomo でのショーも決まっており、ブランドとしても益々勢いのあるSHINYAKOZUKA。
どうぞご期待ください。



CONSTRUCT1 萩原