2026/06/28 19:52

Issue #9

a glove is a “lighthome” isn’t it? 


6月27日(土) 1st delivery  Start  !!


(前編)

「なんで片方だけ手袋が落ちているのだろう?」

落ち葉を掛け布団にしている片手袋

持ち主の手と間違えてポールに刺さっている片手袋

公園やアスファルトの上で泥酔している片手袋

「こちらが会場です。」と案内してくれている片手袋

何がそんなに嬉しいのかピースサインをしている片手袋

自身の帰り道や散歩を思い出すだけでも、これだけ浮かびます。
そんな事を考えている、いつものビール片手の帰り道でも、また片手袋を見つけました。
僕は帰路に着く途中ですが、

「この片手袋は一体どこに帰るのだろう?」

と、そんな事を思いました。
ただ、その日は、そう思っただけで何かあるわけでもなく、
そんな考えはポケットに仕舞って、残りのビールと好きな音楽と一緒に家に帰りました。

季節は過ぎて、マティスの絵を観る機会がありました。
というよりも、観にいく機会を作りました。
マティスやゴッホが、
どんな家を、人を、匂いを、海を、空気を眺めていたのかを知りたくて、
彼等ゆかりの地に、出不精をこれまた、ポケットに仕舞って行ってきました。

マティスの教会の壁画を見惚れていました。
迷い線のない強い一本の線で描かれた絵は、少し心がしんどかった自身の中に迷いなく入ってきました。
「一本で描くものが、これほど心に入ってくるなんて。」
一本、一つ、、片方、、、
片手袋か。
と、いつぞやの記憶と重なってしまい、そんな事思っていました。

手袋・箸・靴・イヤホン・赤ずきんと狼

二つで機能するものは多くあると思います。

ただ、

心や自分自身、家族

といった本当に大切なものは、一つしかない。

仕舞っておいた片手袋が頭の中のポケットからポロッと落ち、
マティスへの惚気と共に、
頭の中のキャンバスに社交ダンスを踊るようにコラージュされていき、
そんな事を想うようになっていました。

「この片手袋は一体どこに帰るのだろう?」
という思いは、

「心や家族という一つしかないものは”帰る場所”だよな。」
と、そう気付くことによって、

「あの片手袋はどこかに帰るのではなく、誰かの帰る”家”なのかもな。」

という想いになりました。

それからは、一つのものや、家や、帰る場所について、
考えたり、調べたり、絵に描いてみたり、音楽を聴いてみたりしました。
最近は、issue毎にプレイリストを作っています。
形容し難い感覚は、音楽だと形容してくれる気がして。
この感覚が導いてくれたのかは、感覚さんに聞いてみないと分からないのですが、
プレイリストを作成中に、Lighthouse(灯台)という言葉が入る曲、またはEPと2つ出会いました。

(後編へ続く)