2026/06/28 20:02

(後編)

片手袋は誰かの帰る”家”
そう思っていましたが、
片手袋が一筋の光を月明かりのように、
迷子の考えを照らし、この場所まで導いてくれたので、“灯台”なんじゃないかな。
と、積み木のように考えが重なり、そう想うようになっていきました。

ただ、当たり前の食卓が待っているような、帰れる“家”でもあるし、帰り道を照らしてくれる“灯台”でもあると両方想うので、
タイトルに入れる言葉は、
Lighthouse(灯台)ではなく、少しだけもじらせてもらいました。

こうやって散歩で見かける信号や看板のように、ただの無機質な記号であった片手袋というモチーフは、灯台や家の灯りに照らされて、有機なものへと形を変えていきました。
もちろん、手袋は家でもなければ、灯台でもありません。
ただ、「手袋は手袋だ。」というような直接的な訳よりも、
「手袋は家であり、灯台だ。」という理屈では説明つかないかもしれないけれども、
意味もわからないかもしれないけど、共感性を生むかもしれない、機械には出来ない訳。
そんなデザインがしたいんだ、と気付きました。

そんなデザインがしたいのです。

さらに絵を描き進めると、全て冬の情景でした。
月・冬・家・散歩というモチーフは、
それこそ、理屈では説明できないですが、
昔から自身の根底に変わらずある「基本」なものなのでしょう。
それらの情景を、毎回違うフィルターを通して、
色を変え、濃さを変え、ミルクで割ってみたり、ホイップを乗せたりして、
みなさんのテーブルに提供して、
「こんな情景も美味しいでしょ?」
って、言いたいのでしょう。
今回はそんな基本を、
片手袋という素材に想いを馳せ、混ぜてみて、
ポケットに仕舞い込みすぎて、ぐしゃぐしゃになった
出不精な熱量を引っ張り出して、冬というモチーフと共に、一生懸命温めました。
そして、結論はこんな感じです。

「なんで片方だけ手袋が落ちているのだろう?」


「ただいま。」

「おかえり。」

そんな声が聞こえたら素敵ですよね。


Issue #9

a glove is a “lighthome” isn’t it? 


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